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東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科

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急速進行性糸球体腎炎 diseases06

 急速進行性糸球体腎炎

腎臓の濾過装置である糸球体を含めた全身の小血管に強い炎症が起こり数週~数カ月で急速に腎機能が低下する、生命を脅かすこともある病気です。糸球体を顕微鏡で見ると細胞が増殖した半月体という構造物を認めることが多く、半月体形成性糸球体腎炎とも呼ばれます。

原因は多様ですが、血液中の細胞である好中球のもつ酵素に対する抗体*(抗好中球細胞質抗体:ANCA)、糸球体基底膜に対する抗体(抗GBM抗体)などが代表的です。
*抗体とは、血中の免疫にかかわるある種類の蛋白のことをいいます。特定の物質に特異的に結合して、その物質を体内から除去する方向に働きます。
小児から高齢者までみられますが、中高年の女性にやや多くみられます。

症状としては、微熱・だるさ・食欲不振などの全身の症状や、目に見える血尿、尿量の減少、また検査で蛋白尿がみられます。病気が進行すると、吐き気、息苦しさ、痰や便に血液が混じる、皮膚の出血、意識の低下などが出現します。
副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬などの全身の炎症を抑える薬剤や、血液成分を交換する血漿交換、腎不全が進行した場合には血液透析などで加療します。肺にも強いダメージが加わった場合(肺胞出血を併発した場合など)は呼吸管理が必要となることもあります。

予後が悪い腎臓の病気の一つですが、早期に発見し治療を開始することで寛解・治癒の可能性を高めることが大切です。

実際に、発見時期や病気の勢いにより個人差はありますが、血液透析が必要になった重度な症例でも、治療により腎機能が回復し、血液透析を中止できることもあります。