臨床試験情報
悪性腫瘍の骨転移に対するランマーク投与の安全性についての検討
悪性腫瘍の骨転移に伴う病的骨折や脊髄圧迫などの合併症に対して、ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブの有効性が示されています。一方で、一部の患者さんでは、デノスマブ投与後に重篤な低カルシウム血症を発症することが報告されています。 そこで私たちは、どのような病態の方がデノスマブ(ランマーク®)投与後に低カルシウム血症を発症するのかを明らかにするため、以下のようなデータ収集・解析を行っています。
対象となる方2012年5月1日~2015年9月25日の間に本院にて悪性腫瘍の骨転移の治療のためにランマーク®を投与された方 研究の意義・目的骨転移は進行した悪性腫瘍の患者さんの半数以上に認められ、病的骨折や脊髄圧迫などの合併症(骨関連事象)や、それに伴う痛みや生活の制限などが問題となっています。悪性腫瘍の骨転移に対して、これまでは主にビスホスホネート製剤が使用されてきましたが、最近になってヒト型抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブの有効性が示されています。デノスマブは、腎臓の機能が低下した患者さんでも使うことができるうえに、大規模臨床試験の結果から、ビスホスホネート製剤よりも乳癌、前立腺癌の患者さんで骨関連事象の発症を抑制することが示されています。一方で、一部の患者さんでは、デノスマブ投与後に重篤な低カルシウム血症を発症することが報告されています。 研究の方法この研究は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に則り、東京大学医学部倫理委員会の承認のうえ実施されます。これまでの診療でカルテに記録されている病歴や、血液検査などのデータを収集して行う研究です。研究の対象となる患者さんに新たにご負担いただくことはありません。 2015年9月25日
研究機関名東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 この研究に関する費用は、東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科403研究室の運営費(科学研究費補助金、または奨学寄附金)から支出されています。尚、あなたへの謝金はございません。 問い合わせ、苦情等の連絡先東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科 助教 木下祐加 |