臨床試験情報
川崎医科大学、東京大学、京都大学、岡山大学、 九州大学、金沢大学、新潟大学、名古屋大学、 埼玉医科大学、東京慈恵会医科大学、 奈良県立医科大学、横浜市立大学 (順不同)にて 「糖尿病性腎臓病及び慢性腎臓病患者の包括的腎臓病バイ オバンクの強化と利活用」にご参加された方 およびそのご家族の方へ
当院では、心・腎・代謝のいずれかの要因の悪化が他要因の悪化を招く悪循環が生じ、これらの要因が重複することで更なる死亡リスクの上昇が起こることを指す、『心・腎・代謝症候群』という疾患概念の研究を行っています。本研究は、心・腎・代謝症候群の病態解明、治療ターゲット同定を目指し、「糖尿病性腎臓病及び慢性腎臓病患者の包括的腎臓病バイオバンクの強化と利活用」という研究に参加し、血漿検体の保管を受けている方の検体の追加解析を行うものです。
本研究において使用する検体および情報は、すでに個人が特定できないよう匿名化されており、研究実施者が個人を識別することはできません。そのため、研究対象者への新たな同意取得やオプトアウト(研究不参加の申し出)による除外手続きは行いません。
研究は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に則り、東京大学医学部倫理委員会の承認を得て実施されます。
研究課題
一細胞/空間トランスクリプトーム解析を用いた心・腎・代謝症候群の病態解明に向けた研究
(審査番号:2025372G)
研究機関名及び本学の研究責任者氏名
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学医学部附属病院・腎臓・内分泌内科
研究責任者 菅原有佳 特任助教
担当業務 研究計画立案・データ取得・データ解析
業務委託先
1. タカラバイオ株式会社
担当業務:一細胞/空間トランスクリプトーム解析の実施
2. 東京大学大学院 新領域創成科学研究科附属生命データサイエンスセンター(LiSDaC)
担当業務:一細胞/空間トランスクリプトーム解析の実施
この研究に利用する試料・情報は当機関及び業務委託機関の範囲のみで利用されます。
研究目的・意義
以前より、腎臓の機能が低下する疾患である慢性腎臓病と心血管疾患が互いに悪化させ合うことが知られていました。また、肥満や糖尿病といった代謝異常があると慢性腎臓病を発症しやすくなること、同様に代謝異常があると心血管疾患を発症しやすくなることも知られていました。これらを総合し、慢性腎臓病、心血管疾患、代謝異常が互いに影響を及ぼしながら進行することを指し、『心・腎・代謝症候群(CKM syndrome)』という概念が提唱されました。心・腎・代謝症候群においては、心・腎・代謝のいずれかの要因の悪化が他要因の悪化を招く悪循環が生じ、これらの要因が重複することで更なる死亡リスクの上昇が起こるため、単一疾患のみを治療ターゲットとするのではなく複合的リスク管理が重要と考えられています。また、プロテオーム解析という研究手法が注目されています。これは、体の中で働く多くのたんぱく質をまとめて調べる方法です。病気の早期発見につながるマーカーを調べることにもつながります。
またこの研究では、上記手法を行った結果、人間の身体を作る設計図にあたる「遺伝子」の解析が必要と考えられた場合、あなたの血液から「遺伝子」を抽出して解析する可能性があります。人間の身体は、この遺伝子の指令に基づいて成長、維持されており、多くの病気はこの遺伝子と、生活の仕方等の環境要因の両方の影響からおこると言われているため、この解析により更に詳細に心・腎代謝症候群の病態解明につながる可能性があります。
本研究は、保管されている血漿(血液)検体のプロテオーム解析を新規に実施し、これを保管されている臨床情報や、必要時にはゲノム情報(体質や遺伝の特徴)・メタボローム情報(体の中でつくられる様々な物質の情報)も一緒に解析することで、心・腎・代謝症候群の病態解明、治療ターゲット同定などを目指すものです。
研究期間
研究実施許可日 ~ 2029年9月30日
対象となる方
年齢18歳以上で、2020年1月31日 ~ 2025年10月1日の間に川崎医科大学、東京大学、京都大学、岡山大学、九州大学、金沢大学、新潟大学、名古屋大学、埼玉医科大学、東京慈恵会医科大学、奈良県立医科大学、横浜市立大学 (順不同) のいずれかで「糖尿病性腎臓病及び慢性腎臓病患者の包括的腎臓病バイオバンクの強化と利活用」という研究(バイオバンク名:J-Kidney-Biobank)に参加し、臨床情報の収集や血液検体の採取を受けた方、およびそのご家族の方。
ただし、解析に必要な血漿(血液)検体が保管されていない方は対象となりません。
研究の方法
本研究は,単施設研究で、合計150例(本文書で説明しているプロテオーム解析については100例、他解析で50例)を予定した研究です。
1.以前に「糖尿病性腎臓病及び慢性腎臓病患者の包括的腎臓病バイオバンクの強化と利活用」という研究に参加した時に、血液検体の採取が行われました。その検体は、J-Kidney-Biobankの検体として、東北メディカル・メガバンク機構において保管されています。
2.上記検体を研究用に使用します。プロテオーム解析に必要分を東北メディカル・メガバンク機構から当院(東京大学医学部附属病院)へ郵送で送付します。
3.同時に、「糖尿病性腎臓病及び慢性腎臓病患者の包括的腎臓病バイオバンクの強化と利活用」という研究に参加した際に収集された臨床情報も、セキュリティ対策のなされたデータ送付システムの利用により、当院へ共有されます。臨床情報の内容は以下の通りです:年齢、性別、BMI、血圧、慢性腎臓病の原疾患、心血管疾患の合併状況、血液検査結果(Cre(クレアチニン)、eGFR(推算糸球体濾過量)、HbA1c(ヘモグロビンA1c)、グリコアルブミン等)、尿検査結果(urine albumin/creatinine ratio(尿中アルブミン/クレアチニン比)、urine protein/creatinine ratio(尿中タンパク/クレアチニン比)、尿潜血等)。
4.当院に送付された血漿(血液)検体のみを外部委託先に郵送し、プロテオーム解析を実施します。この際、研究に参加される方のお名前等の個人情報含め、他の情報が外部委託先に伝わることはありません。
5.解析結果は当院に報告され、さらに解析を進めます。
6.この解析の結果、ゲノム情報(体質や遺伝の特徴)・メタボローム情報(体の中でつくられる様々な物質の情報)との統合解析が必要となった際には、セキュリティ対策のなされたデータ送付システムの利用により、当院へこれらの情報が共有されます。
利用又は提供を開始する予定日:2026年4月1日
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。
個人情報の保護
この研究に関わって取得される試料や情報は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
試料や情報は、氏名・住所・生年月日・カルテ番号等の特定の個人を識別可能な情報は削除され、研究用の符号のみがついた、どなたのものか分からない状態で本研究に提供されます。また、その状態で外部委託先に送られます。
送付先および本学では、検体については鍵のかかる冷凍庫、データについては研究者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、紙の資料は鍵のかかるロッカーで厳重に保管します。
本研究であなたの遺伝子情報(ゲノム情報)を扱う場合には、施錠可能な部屋の中の研究責任者・研究分担者のみが使用できるパスワードロックをかけたパソコン、あるいは鍵のかかるロッカー内のパスワードロックされた電子記憶媒体として厳重に保管します。
研究の実施に先立ち、国立大学附属病院長会議が設置している公開データベース(umin)に登録をし、研究終了後は成績を公表いたします。
UMINのホームページ(URL):https://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm
本研究で得られたプロテオーム解析データは、試料提供元であるJ-Kidney-Biobankに共有され、本バンクの他情報とともに東北メディカル・メガバンク機構のスーパーコンピューター内のJ-Kidney-Biobankのプロジェクトエリアに保存されます。
国内外の学術雑誌での公開にあたっては、研究成果の第三者による検証や複数の研究の結果を統合して統計的に検討する際の原資料となることもあるために、解析・論文作成に用いたデータを学術雑誌社・学会(誌)へ提供・公開すること、また保管されることがあります。提供・公開されたデータは国内外にある学術研究機関だけではなく、製薬企業等の民間企業等により、研究や製品開発等のために分析、利用される可能性があります。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内のデータベース等(J-Kidney-Biobankホームページ等)で公表する可能性があります。
取得した試料や情報は厳重な管理のもと、本研究終了について報告された日から5年を経過した日、又は研究結果について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日まで保存されます。保管期間終了後には、試料においてはオートクレーブ処理、情報においては紙で保存されている場合はシュレッダー処理、電子データで保存されている場合はデータ削除等することで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。
試料・情報の管理責任者
所属:東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科)
氏名:菅原有佳
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、令和7年度日本医療研究開発機構 医学系研究支援プログラムの研究助成 (課題名「東京大学医学部附属病院 研究力向上計画」)から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。
2025年11月
連絡・お問い合わせ先
東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-3815-5411FAX: 03-5800-9760(医局代表)
Eメールでのお問い合わせ:jinnai.research.assist@gmail.com
URL:https://www.todai-jinnai.com/
医療機関名 東京大学医学部附属病院
診療科名 腎臓・内分泌内科研究責任者/連絡担当者:菅原 有佳(すがわら ゆうか)