常染色体優性多発性嚢胞腎について

多発性嚢胞腎について

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多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)は、腎臓に液体のたまった「嚢胞(のうほう)」が多数できる病気です。嚢胞は年齢とともに徐々に大きくなり、腎機能が悪くなります。腎機能の悪化が進んでいくと、血液透析などの透析療法が必要になります。多発性嚢胞腎は、日本では透析になる原因疾患の第5位を占めます。

多発性嚢胞腎の多くは常染色体優性遺伝という形式をとる遺伝性の病気で、常染色体優性多発性嚢胞腎(Autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD)とも呼ばれます。片方の親がこの病気であると、子供がこの病気である確率は50%と推測されます。若いころは無症状であることが多いのでこの病気に気づかれないことが多いですが、年齢を重ねるごとに腎嚢胞に出血を起こしたり感染症を起こしたりすることで気づかれます。また、腎機能が悪化したりくも膜下出血を起こしたりした状態で初めて気づかれるということもあります。CTやMRIなどの画像検査や血縁者の病気の状況などにより診断されます。多発性嚢胞腎は腎機能障害や血尿、嚢胞への感染以外にも、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤、心臓弁膜症、肝臓など他の臓器の嚢胞、高血圧症、大腸憩室などを合併することが知られています。


   

これまでの多発性嚢胞腎の治療は、血圧の管理や、他の腎臓病と同様の管理を行うことが一般的でした。これに加えて、嚢胞が大きくなることを抑えたり、多発性嚢胞腎における腎機能低下を遅くしたりすることができる、バゾプレシン受容体拮抗薬であるトルバプタン(商品名:サムスカ)による治療が2014年より可能となりました。
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科では、多発性嚢胞腎外来で多発性嚢胞腎に対する検査・治療を行っています。受診を希望される場合は腎臓・内分泌内科外来(担当:本田)をご受診ください。
東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科では、多発性嚢胞腎外来で多発性嚢胞腎に対する検査・治療を行っています。受診を希望される場合は腎臓・内分泌内科外来(担当:本田)をご受診ください。

 

多発性嚢胞腎外来について

多発性嚢胞腎の初回外来では下記を行います。

 

初回の外来では今後の診療計画をご説明しますので、診療時間が長くなることをご了承ください。

 

 
左右の腎臓自体の大きさを表す総腎容積を当科では全例で測定し、結果をご説明いたします。
これをもとに嚢胞が大きくなることを抑える治療や嚢胞出血・嚢胞感染といった合併症の管理を行うと同時に、腎機能が悪化している場合には慢性腎臓病に伴う検査や治療を行います。また、嚢胞以外の原因で腎機能が悪化している場合もありますので、総合的な評価を行います。

 

トルバプタン(商品名:サムスカ)による治療

トルバプタンは嚢胞が大きくなることを抑え、腎機能が悪化する速度を抑えます。中には内服開始後に嚢胞が小さくなる人もいます。
トルバプタンによる治療を行う場合は、治療開始の際に2泊3日~3泊4日の入院が必要となります(病状に応じて異なります)。入院中には飲水量・尿量を確認しながら、血液検査でチェックを行います。退院後は約1週間後を目安にご来院いただき、1か月に1回の通院頻度となります。
内服の量やタイミング、増量の時期などは患者様一人一人の生活にあわせてご相談しながら決めていきます。腎臓・生命を守ることと同時に実りある生活ができるような医療をご提供いたします。

【多発性嚢胞腎に関連したサイト】
・PKD友の会 http://www.pkdnokai.org/
・PKDFCJ http://www.pkdfcj.org/