副腎

副腎は、腎臓の頭側にある1cm大の小さな臓器ですが、生命維持に欠かせないホルモンであるコルチゾールをはじめ、血圧を維持するホルモンを分泌するとても重要な臓器です。
副腎皮質からは主にアルドステロン、コルチゾールが、副腎髄質からはカテコラミンが分泌されており、上位の神経支配・命令ホルモンと無関係にそれらのホルモンを自律的に分泌する副腎腫瘍が、それぞれ原発性アルドステロン症、副腎性クッシング症候群、褐色細胞腫という疾患になります。

副腎

1.原発性アルドステロン症

典型的には低カリウム血症を伴う高血圧を契機に診断されますが、最近は正カリウム血症であっても、若年性高血圧、多剤併用でも血圧コントロール困難な難治性高血圧の場合は積極的に疑ってホルモン検査(負荷試験、選択的副腎静脈サンプリング)をして診断します。
治療は、片側性腫瘍の場合には腹腔鏡下の外科的切除術か薬物治療(アルドステロン拮抗薬)、両側性の場合にはアルドステロン拮抗薬となります。

2.副腎性クッシング症候群

コルチゾールは生命維持に必要不可欠なホルモンですが、不必要に過剰に分泌されると中心性肥満、満月様顔貌、下肢浮腫、易出血性、耐糖能障害・糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症を合併するクッシング症候群をひきおこします。そのうち、副腎腫瘍からコルチゾールが自律的に分泌されるものを副腎性クッシング症候群といいます。
治療は、外科的切除が第一選択になります。

3.褐色細胞腫・傍神経節腫瘍(パラガングリオーマ)

副腎髄質・傍神経節に発生するカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)分泌腫瘍で、典型的には高血圧、頭痛、耐糖能障害、多汗、体重減少がみられます。しかし、最近では腹部CTを施行する頻度が増したことにより、副腎偶発腫として褐色細胞腫がみつかる頻度が高くなっています(副腎偶発腫の最多はホルモン非分泌性の非機能性腫瘍)。
ときに多発性内分泌腫瘍2型に合併するので、副甲状腺機能亢進症や甲状腺髄様癌の検査もおこないます。放置しておくと高血圧クリーゼのリスクになることから、治療は外科的切除が原則ですが、術前にカテコラミンを遮断する薬(αブロッカー)を導入し、手術に臨んでいただきます。

4.副腎癌

非常に悪性度の高い癌で、小さいか非機能性腫瘍の場合には無自覚であるため、早期発見は困難です。副腎偶発腫として副腎腫瘍が見つかった場合には、副腎癌を除外するために数回は定期的な画像検査で増大傾向の有無について経過観察が重要となります。ホルモン産生性の場合ほとんどがコルチゾール産生性で、副腎性クッシング症候群を呈します。
治癒には外科的完全切除が必須となります。