IgA腎症

IgA 腎症は慢性糸球体腎炎の中では最も頻度が多く、わが国で行われた腎生検のうち約1/3がIgA腎症と診断されています。好発年齢は20-30歳代ですが、その他の年代においても発症します。健康診断などを機会に偶然発見される場合が約70%という報告もあり、自覚症状はないことが多いです。1997年・2004年の報告ではIgA腎症の場合、診断から10年後には10-15%、20年後には40%が透析療法が必要な末期腎不全へ進行すると報告されており、早期より適切な診断と治療を受けることが重要といえます。治療法の進歩により現在は更に腎生存率は改善していることが期待されます。
症状や検査結果よりIgA腎症があることをある程度推定することも試みられていますが、原則としてIgA腎症は腎生検で診断されます。一部の症例でかぜ症状や下痢などの消化管感染症状の後に、目で見てわかる血尿(「肉眼的血尿」)を伴って病勢の悪化を認めることから、粘膜免疫の関連が考えられています。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)を中心とした降圧薬、抗血小板薬、ステロイド、免疫抑制薬などの治療、そして粘膜免疫との関連から口蓋扁桃摘出術といった治療も行われています。現時点で確立された治療法はなく、尿蛋白の量や現在の腎機能による臨床的なステージや、腎生検による組織学的な疾患活動性を評価した上で、個々人に応じて治療内容を検討します。